南の島のフィニッシングスクール

今年は白雪姫の食卓

ワインで酔った上機嫌の主人が料理に合わせて35年も昔のラジオ歌謡「泣く泣くかぐや姫」を歌いながらまるでディナーショウさながらに一品一品出してくるので学生たちに大受けでした。

  「半島芸術祭in南城」がもうすぐはじまります。
 西大学院ではこれまで「ハロウィン」、「かぐや姫」をテーマにしたテーブルコーディネートの展示で参加してきました。連日夜遅くまでテーブルクロスやテーブルナプキンを縫いあげたり部屋を飾りつけたりする作業は学生一人ひとりに協力する気持ちがなければ仕上がりません。それでもそれぞれが時間を作って侃々諤々議論しながら結構楽しんでやり遂げて来ています。
 テーブルコーディネートもさることながら料理メニューがおもしろいのです。例えばハロウィンでは前菜が毒草ベラドンナと毒茸のサラダ、スープは骨スープ蜘蛛の巣仕立て、魚料理はピラニアのブラッドソース等々とても人間には食べられそうもない魔女たちの料理が並びます。それを学生達の労をねぎらってこの料理を食べさせるのだと、めったに料理をすることもない主人が腕をふるったのですが・・・。 スープは春雨を蜘蛛の巣に見立てた「豚軟骨ソーキ汁春雨の糸かけ」、ピラニア~は「ビタローのソテー血のソース」となって赤い果物で真っ赤に染まった毒々しく怖い料理を食べさせられました。
  かぐや姫の食卓ではかぐや姫が求婚者たちに課した難題にちなんで前菜に蓬莱の玉の枝、魚料理に龍の首の玉、肉料理は火鼠の皮衣等どんな料理か想像もつきません。それを裏チキチヌクをローズマリーの枝挿し焼き、小丸貝柱のクリーム煮、兎背肉に変え、ワインに半分酔った上機嫌の主人が料理に合わせて35年も昔のラジオ歌謡「泣く泣くかぐや姫」を歌いながらまるでディナーショウさながらに一品一品出してくるので学生たちに大受けでした。
 学生達に力を合わせて一つの仕事を成し遂げる体験をさせるために参加しているこの祭、
今年は「白雪姫のテーブル」の紹介と手づくりの和菓子と抹茶でお客様をお迎えするようです。

                             琉球新報「南風」欄掲載【2010年11月8日(月)】